粉末積層法(粉末固着式/粉末焼結式)
粉末積層法は、試作物の材料となる物質を粉末状にし、レーザーや接着剤を用いて1層づつ固めて造形させていく方法です。
微細な粉末を造形テーブル上に1層分敷き、接着剤や、レーザーで焼結させるなどの方法で硬化させ、また更にその上に次の層を造形していき、成形品を得るという造形方法です。
機種によりますが、樹脂や石膏、金属、澱粉など様々な材料の粉末を使用しており、造形スピードとコストパフォーマンスに優れた造形手法です。
成形物を炉に入れて焼結させ、セラミックの試作品を得る方法もあるほか、金属粉末で造形した後に樹脂や銅を含浸させるなどして強度を上げ、成形用の型として使用できる、ラピッドツーリングと呼ばれる手法があります。
粉末固着積層法
試作手法の概念図
この造形手法は、粉末に接着剤を塗布することにより、1層1層を固着形成させ、積層させていきます。
Z-CorporationのZプリンターがこの手法を利用した装置の代表です。
サポート材を必要とせず、着色を自動で行う機械も存在するので、モデル確認用に多く用いられています。
スピードとコストパフォーマンスに優れた試作手法ですが、石膏粉末で試作した試作モデルは衝撃に対し脆いので取り扱いに注意が必要です。
②サポート材不要なので、後処理必要なし
③着色機能を備えた装置が多い
粉末焼結積層法
粉末焼結積層法は、金属または樹脂粉末をレーザー熱によって溶融、焼結させ、1層づつ積層し立体モデルを製作します。
この試作法の特徴は、固着式と同じくサポート材を必要としないことと、溶融または焼結によって造形するので、用いることのできる材料の範囲が広いことです。
また、金属粉末を扱えることもこの手法の特徴です。直接加工できることももちろんですが、3DCADデータから鋳型を作成することもでき、鋳物の短時間作製に威力を発揮します。
試作手法の概念図
代表的メーカーとして、EOS 、アスペクト、3DSystems社、松浦機械等があります。
特に松浦機械の金属光造形複合加工法は、粉末焼結と切削加工の2つを組み合わせた加工法であり、非常に精度の高い成形品が得られます。
②サポート材不要なので、後処理必要なし
③金属粉末を利用できる